NHKは2019年5月28日に、2018年度末の受信料の推計世帯支払率が全国値で81.2%となったと発表しました。
契約に対する支払いなのか?未契約者も含む支払い率なのか?
NHKが公開している資料を確認してみました。
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受信料の推計世帯支払率の計算方法
「2018年度末 受信料の推計世帯支払率(全国・都道府県別)について」
という資料に計算方法が乗っています。
一部表を引用します。
推計世帯支払率(⑦/⑤)ということなので、⑦世帯支払数÷⑤受信契約対象世帯数
が、今回話題となっている81.2%の計算式です。
これは、
⑤ 受信契約対象世帯数は、
④テレビ普及世帯数から、「受信契約状況実態調査」をもとに算出したテレビ故障等世帯を差し引いて推計
ということなので、壊れていないテレビを持っている世帯数ということになります。
簡単にいうと、テレビを持っていると世帯のうち、受信料を支払っている世帯の割合というのが、推計世帯支払率ということになります。
推計に推計を重ねているので信憑性がある数字なのかよくわかりません。
推計世帯支払率、2014年~2018年の5年間比較
公開されている推計世帯支払率の表を2014年~2018年の5年分並べてみ比べてみました。
(表の数値の単位は万です。)
推計世帯支払率8割超えは嘘?
上記データを見ながら考えてみます。
推計世帯支払率は右肩上がりです。
世帯支払数が227万件増えて、受信契約対象世帯数が52万件減っています。
世帯契約数の増加は181万件です。
です。
世帯契約数と世帯支払数は推計ではなく実数なので、現実に未払いの人たちが支払うようになったと考えられます。
ワンセグの判決とかがありましたから…。
一方、テレビ普及世帯数は減少しています。
テレビ普及世帯数が減ることにより、推計世帯支払率の母数となる受信契約対象世帯数も減少しています。
この母数の減少はあくまでも推計なので、恣意的に変えることはできなないこともないでしょう。
JEITAの統計資料を元に、薄型テレビの出荷台数を表に追加しました。
(表の数値の単位は万です。)
テレビの出荷台数と、テレビ普及世帯数は、全く連動していません。
壊れた台数がわからないから、なんともいえませんね。
まとめ
推計世帯支払率が8割超えたというのは、嘘とは言い切れないでしょう。
あくまで推計なので、判断のしようがありません。
契約している世帯の支払率が上昇傾向にあるということは、否定する材料が見当たりませんでした。
テレビ普及世帯数の推計は減っているので、NHKをみたくないからテレビを持っていない人たちと、見たいから契約して支払っている人のそれぞれの意志が尊重されつつある傾向と捉えることもできそうです。
この記事を書いている2019年5月29日、改正放送法が参議院で可決したので、今後どうなるかわかりりませんが…。