2019年5月8日、

原子力規制委員会が甲状腺被ばくを防ぐ安定ヨウ素剤に関し、事前配布対象者を原則40歳未満とし、服用は被ばくの影響が懸念される子どもや妊婦らを優先すべきだとした原子力災害対策指針と配布マニュアルの改正案を了承した。
意見公募を経て6月にも正式決定する。

というニュースがでました。
今更感がありますが、何もしないよりマシですね。
なぜなら、放射性ヨウ素による被爆の影響を最も受けやすいのが乳幼児だから、こんなこと決めるまでもなく、子供優先というのはわかりきっているのですが…。

「甲状腺被ばくを防ぐ」とのことですが、本当に防ぐことができるのでしょうか？

ヨウ素剤の効果って何？

物理学科卒業の僕のざっくりとした知識では、放射性ヨウ素を摂取すると甲状腺に、放射性ヨウ素が蓄積され、内部被曝してしまうので、その前に、放射線を放出しないヨウ素を摂取しておくことで、放射性ヨウ素が体内に蓄積することなく排出するということで、内部被曝を防ぐことができるというのが、安定ヨウ素剤の効果です。

原発事故が起きると、放射性プルームが大気中に放出されます。
これには、放射性ヨウ素（ヨウ素131）や放射性セシウムが含まれています。
ヨウ素131の半減期は８日です。

ということで、とりあえず持っていたほうが良さそうなので、購入方法を調べてみました。

ヨウ素剤の購入方法

原子力規制委員会が子供に優先的に配布するというルールを制定するようですが、そもそも自宅に備蓄しておいたほうがよいですからね。

小さい子供は、味が苦いので、吐き出したりして、うまく飲めなかったりすることがあるので、乳幼児用ヨウ素剤というものがあるようです。
幼児用はゼリー状なのですが、通販で購入できそうなところがありませんでした。

日医工のヨウ化カリウム丸がほしいのですが、安定ヨウ素剤とアマゾンなどで検索すると、輸入品ばかりでてきます。

「安定ヨウ素剤」をネット通販で注文するには？

ヨウ素剤の副作用は？

チェルノブイリ事故のときに安定ヨウ素剤が配布され、報告された副作用は、新生児の甲状腺機能低下が 0.37% みられ、子供の 4.6% に嘔吐、皮膚の発疹、
胃痛、下痢、頭痛が出たとのことですが、後遺症が残ることはなかったようです。
甲状腺機能低下により、むくみがみられることもあります。
新生児の甲状腺機能低下は妊婦が服用したことによります。
母乳に移行するので、服用後24時間は授乳はひかえたほうがよいとのことです。

万が一必要になったら、何粒飲めば良い？

1粒の含有量が50mgの場合、新生児3分の1粒、3歳未満3分の２粒、13歳未満は1粒、13歳以上は2粒です。
正確な情報はこちらの日本医師会のPDFファイルを参照してください。

なかったら代わりにイソジンを薄めて飲めばよいというデマにはだまされないようにしましょう。

ちなみにヨウ素剤の効果は放射性ヨウ素による甲状腺被曝に限定されます。
なので、他の放射性物質に対しては無力です。
だから、ヨウ素剤を服用させたら、子供を連れて、できるだけ遠くに逃げましょう。

「WACマスク」という商品が高いのですが、放射性ヨウ素除去フィルタがついています。
ヨウ素剤の代わりではなく、併用すると良いでしょう。