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レアアースの返り討ちに関するわかりやすい説明。過去の中国の失敗

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レアアースとレアメタルの違いってなんだろう?と思って調べていたら、「レアアース返り討ち」という言葉を見つけたので、調べてまとめてみました。

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まずは、レアアースに関して簡単に理解します。

レアアースとレアメタルの違い

レアアースに関して理解する前に、混同しやすいレアメタルという言葉を理解したほうが良いです。
レアメタルとは、レアなメタルです。
希少金属ということで明確な定義はありません。
経済産業省により指定されていますが種類は変動することがあります。
一方、レアアースには明確な定義があります。

レアアースとは?

レアアースとは、日本語では希土類元素といい、17種類の特定の元素のことを指します。
そして、これらの元素はレアメタルに含まれています。

元素周期表の第3族の第4周期から第6周期です。
下の図で、赤で囲った元素です。

レアアースの使いみち

レアアースがないとなぜ困るのか?
レアアースは何に使われているのか?

例えばセリウムというは研磨剤、ネオジムは磁石を作るのに使われます。
日常生活とは関係ないように思えますが、研磨剤や磁石は工業製品の生産において必須です。
だから、なくなると困るのです。

レアアース返り討ちの概要

2010年9月に尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件でもめた結果、中国はレアアースの事実上の対日輸出規制に踏み切りました。
具体的には、輸出に15~25%の関税を適用するという規制をかけていました。

中国側の想定では、レアアースの輸出規制に音を上げた日本の経団連などが政府に圧力をかけるとのことでしたが、実際には、そうはなりませんでした。

日本の企業は、レアアースを使わない技術やリサイクル技術を生み出しました。
その結果、中国のほうが先に音を上げたのですが、そのまま日本のレアアースの輸入量は激減したままとなっています。

これが返り討ちの概要です。

日本が音を上げるどころか、制裁を解除したあとも輸出量が回復しなかったというしっぺ返しのような結末になったことが返り討ちだと言われる所以です。

流れをまとめてみます。

中国は尖閣諸島が欲しい。

日本に輸出するレアアースに高額な関税をかけて嫌がらせ。

日本には通用しなかった。

中国は本当は輸出したかったから嫌がらせをやめた。

日本のレアアースの需要が減った。

レアアースが売れにくくなって中国困る。

さらに、わかりやすくいうと、

(中)そんなこというなら売ってあげないからな。
(日)ならもう買わない。別に困らないし。
(中)えー、やっぱ買って。
(日)いや。

こうなってしまったということです。

この問題に興味がある方におすすめなのは、深田 萌絵さんです。

日本のIT産業が中国に盗まれている(深田 萌絵)

日本は技術で国を守るべき

日本は資源がないと言われていますが、今の所技術が強力な資源となっています。
例えば、オーストラリアでは日本の重機が必須だと言われています。
日本のコマツの重機がないと鉄鉱石が掘れないということで、これが大きな安全保障上の力となっています。

オーストラリアが鉄鉱石を売らないといったら、日本はコマツの重機を輸出しないので、オーストラリアはそういった制裁を課すことができません。
こういう安全保障戦略ができると、世界はかなり平和的になるような気がします。

レアアース返り討ち事件も、ことの発端は尖閣諸島問題なので、輸出規制に耐えることができなかったら、尖閣諸島を明け渡すという可能性があったので、結局は技術力により、安全保障が守られたという良い事例となりました。

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