アマゾンマーケットプレイスに出品する時、以下のようなメッセージがでるようになりました。
出品者様の消費税納税義務の有無は、アカウントのタイプによりデフォルトで設定されております。まだ設定内容を確認されていない場合は、改めて「消費税の設定」よりご確認ください。
これは、おそらく平成35年10月1日から消費税の計算方法にインボイス方式が導入されるからでしょう。
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消費税の計算方法は、インボイス方式と帳簿方式があります。
帳簿方式の場合、(課税売上ー課税仕入)×消費税率 という計算で消費税の納税額を求めればよいのですが、
インボイス方式の場合、売上に対する消費税の金額-仕入れする時に実際に請求された消費税の金額 という計算をする必要があります。
帳簿方式の場合、免税事業者から仕入れしたのにもかかわらず、仕入れの消費税額を控除できてしまうという問題がありますが、インボイス方式だと、それができなくなります。
そのため、法人は、免税事業者からの仕入れを避けるようになるでしょう。
なので、課税事業者からすると、法人に販売する場合は、免税事業者から仕入れするよりも有利になるのでメリットがありますが、経理事務のコストがかなり増えそうなので微妙ですね。
帳簿方式だったら、売上、アマゾンで販売している場合は売上から差し引かれた費用、銀行口座の履歴、クレジットカードの履歴、現金支払の履歴をCSVファイルなどから取り込んで、売上と仕入(費用)が課税対象なのかどうかを判別して消費税率をかけるだけです。
インボイス方式だと、個々の注文の消費税額やアマゾンの手数料にかかった消費税を足し算する必要があります。
それだけなら、ファイルから簡単に取り込めますが、例えば、Amazon.co.jpで仕入れして、eBay輸出をやっている場合、Amazon.co.jpでの注文履歴とクレジットカードの明細を一つ一つ確認して消費税額を入力するという作業が発生します。
しかも、現在、Amazon.co.jpの領収書には消費税額が記載されていません。
まあ、Amazon Bussinessのアカウントを作れば良いのですが、仕入先がヤフオクだったりすることもあると思います。
eBay輸出やAmazon輸出をやっている人は、いちいち仕入先が課税事業者かどうか、課税事業者だとしても、ちゃんと消費税額が領収書に記載されているかを確認し、必要な場合は、領収書に記載するようにお願いするといったことをしないと、輸出消費税の還付ができなくなってしまいます。
銀行の振込手数料とかの消費税も領収書を発行してもらう必要がありますね。実際にヨーロッパなどでインボイス方式が導入されているようなので、何かよいやり方があるのかもしれませんが、非現実的なように感じます。
今まで、お金の出入りを確実に管理していれば、ちゃんと納税額が計算できたのに、それができなくなってしまいます。
軽減税率に対応するために、インボイス方式を導入するそうですが、例えば、帳簿方式のままで、軽減税率に該当する費用と免税事業者からの仕入だけ分けて計算すれば良いだけだと思います。
税制をシンプルにすれば、税理士も経理事務員も税務署職員も大幅に減らしてコストダウンできる上に、脱税のリスクも減ると思いますが、仕事とか利権とかを増やしたい人がいるってことですね。