めずらしく原発関係で常識的な対応のニュースです。
再稼働している原子力発電所で、テロ対策の施設が期限までに設置できない見通しになっていることについて、原子力規制委員会は期限の延長は認めず、間に合わなかった原発は、原則として運転の停止を命じるという決定がされました。
さらに常識的な観点から言うと、テロ対策の施設がないのなら、そもそも稼働してはいけないと思いますが…。
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いつ何時起きるのかわからないのがテロですから。
放射能が放出されるリスクに敏感なことを「放射脳」とかいって馬鹿にしている有名人がいますが、放射性物質が大量に拡散した場合の影響はいつまで続くのか?どの程度の被害がでるのか?わかっていない上に、対策もないという状況です。
原発のテロ対策施設って何?
原発のテロ対策施設とはどのような施設なのでしょう?
正式には特定重大事故等対処施設、略して特重と呼ばれています。
原発建屋に対し、大型航空機の衝突やその他のテロリズムなどがあっても、放射性物質の異常な放出を抑えるために必要な設備とされています。
具体的には以下のものを、原子炉建屋と同時に破損しない距離におくということです。
-原子炉内の圧力を遠隔操作で下げる設備
-緊急時の制御室
-炉心や格納容器への注水ポンプ
-発電機
爆撃されているのに遠隔操作できるのかな?
結局は、無いよりマシという程度の話ですね。
核変換技術が開発されて、さらに放射線によるDNAの損傷を回復できる治療法が確率されているのなら、交通事故と同程度にリスクを考えても良いと思いますが、現状ではそうではありません。
安全基準を下回っていれば大丈夫だとする意見もありますが、安全基準が恣意的に変更されたり、そもそも基準値を下回っているかどうかの調査をしないという手法で、安全性を主張するようなことが何度も行われているので、信用することはできないでしょう。
僕は東日本大震災の直後、関東地方に住んでいて、新築の家を買ったばかりの友人から質問されました。
僕が理系の学部を卒業しているということで、質問してきたのでしょう?
本当は、状況が全くわからないし、政府の発表が嘘かもしれないから、数ヶ月離れたほうが良いと思いましたが、現実的にはそんなことできないけど、不安だから質問してきているということがよくわかったので、僕は、こう答えました。
何事も100%リスクを回避することは不可能なのは、あたりまえです。
飛行機や自動車は事故が起きることもあるけど、ないと困るし、代わりに全く同じ機能を提供することができるものがありません。
また、リスクは限定的です。
自動車事故では、周囲の道路や建物が壊れて、犠牲者が出ることがありますが、30キロ離れたところで5年後にガン患者が増えまくって、遺伝子の破壊により生まれてきた子どもに障害が発生する可能性は0です。
原発の場合は、事故やテロで発生する被害が可能性としては無限大とも言えますが、別に火力発電所がたくさんあれば、全く同じ機能が提供できます。